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プライスウォーターハウスクーパース、「2010年3月期決算の上場企業の役員報酬水準、ポリシーの開示状況調査」の結果を発表

2010年07月15日
プライスウォーターハウスクーパース株式会社


  • 1億円以上の報酬を得ている役員は約290名で、「外国人経営陣」「創業者・オーナー」「日本を代表する大企業の経営陣」の3区分に集中
  • 役員報酬ポリシーの開示状況に劇的な進展はなく、概ね昨年と同様の開示状況に

プライスウォーターハウスクーパース株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:内田士郎)は、2010年3月期決算の上場企業約2,600社を対象に、役員報酬水準および役員報酬ポリシーの開示状況に関する調査・分析を行いました(調査期間:2010年6月21日~7月9日)。

本調査は、当社が(1)2010年3月期決算の上場企業約2,600社、(2)(1)に含まれる各業界売上高上位10社および売上高1兆円超クラスの大企業の計約360社、の2区分において、その役員報酬総額の分布、および役員報酬ポリシーの開示状況について、有価証券報告書をもとに調査・分析を行ったものです。

その結果、2010年3月期決算の上場企業のうち、1億円以上の報酬を得ている役員は約290名であったことがわかりました。また、役員報酬ポリシーの開示状況については、約9割の企業が質・量ともに昨年と同様または若干の記述内容の追加にとどまっており、役員報酬ポリシーの開示状況について大きな変化は見られませんでした。本調査の結果は以下のとおりです。

「2010年3月期決算の上場企業の役員報酬水準、ポリシーの開示状況調査」 結果

1.役員報酬総額の分布

■1億円以上の報酬を得ている役員は約290名

2010年3月期決算の上場企業約2,600社全体を見た場合、1億円以上の報酬を得ている役員は287名にのぼりました。また、約2,600社に含まれる各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラスの大企業(計約360社)に限定した場合、1億円以上の報酬を得ている役員は166名となります。

■役員1人あたりの平均報酬額は3,590万円

各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラスの大企業の計約360社の役員(計約4,400名)の1人あたり平均報酬額は、3,590万円となっています。

■1億円以上の報酬を得ている役員は、「外国人経営陣」「創業者・オーナー」「日本を代表する大企業の経営陣」の3区分に集中

2010年3月期決算の上場企業約2,600社全体を見た場合、1億円以上の報酬を得ている役員287名の構成割合は、「外国人経営陣」が7%、「創業者・オーナー」が42%、「日本を代表する大企業の経営陣」は41%となりました【図1、2、および「本調査における用語の定義」参照】。

■1億円以上の報酬を得ている役員のうち、報酬総額が1.5億円未満の役員の割合は62%

1億円以上の報酬を得ている役員(287名)全体を見た場合、1.5億円未満の報酬を得ている役員の割合は、62%と過半を占めています。また、2億円以上の報酬を得ている役員は16%にとどまっています【図3】。
先に挙げた役員区分ごとの特徴を見ると、「外国人経営陣」や「創業者・オーナー」の場合、1.5億円以上の報酬を得ている役員の割合は45%でした。一方、「日本を代表する大企業の経営陣」の場合、1.5億円以上の報酬を得ている役員の割合は31%となっています【図4-1、4-2、4-3】。

■低い業績変動報酬比率

1億円以上の報酬を得ている役員(287名)全体を見た場合、総報酬額のうち固定報酬とその他(退職慰労金など)を合わせたものが約80%を占めており、広義の固定的報酬の比率が高くなっています。残る20%については、業績賞与が12%、ストックオプションなどの中長期インセンティブが9%となっています。「外国人経営陣」の場合には、中長期インセンティブ比率が高く、「創業者・オーナー」の場合には固定報酬比率が高い傾向にあります【図5、および「本調査における用語の定義」参照】。

2.役員報酬ポリシーの開示状況

2010年3月31日に施行された改正内閣府令では、上場会社について、有価証券報告書に「提出日現在において報酬等の額又はその算定方法の決定方針がある場合、その内容及び決定方法」を開示することが求められています。各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラスの大企業の計約360社の役員報酬ポリシーの策定状況を見てみると、約10%にあたる30数社が有価証券報告書に「当社は役員の報酬等の額又は算定方法の決定に関する方針は定めておりません」などの記述をしています。

残る約90%の企業においては、質・量ともに積極的な開示を進めている企業も散見されるものの、多くは昨年と同様、または若干の記述内容の追加にとどまっています。当社では、今年は開示義務化の初年度ということもあり、開示状況に大きな進展がなかったと見ています。一方で、来年以降に関しては、改正内閣府令の影響により株主からの役員報酬に対する注目が集まっているため、役員報酬ポリシー/制度の整備・拡充が徐々に進んでいくものと予想しています。

資料

【図1】役員報酬1億円以上の役員の分布
(2010年3月期決算の上場企業 約2,600社対象)


【図2】役員報酬1億円以上の役員の分布
(各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラスの大企業の計約360社対象)


【図3】2010年3月期決算の上場企業(約2,600社)を対象とした場合の報酬総額の分布(全体)


【図4-1】2010年3月期決算の上場企業(約2,600社)を対象とした場合の報酬総額の分布(「外国人経営陣」)


【図4-2】2010年3月期決算の上場企業(約2,600社)を対象とした場合の報酬総額の分布(「創業者・オーナー」)


【図4-3】2010年3月期決算の上場企業(約2,600社)を対象とした場合の報酬総額の分布(「日本を代表する大企業の経営陣」)


【図5】2010年3月期決算の上場企業(約2,600社)を対象とした場合の報酬要素構成比率


本調査における用語の定義

【報酬項目に関して】
・固定報酬: 有価証券報告書において、「基本報酬」「月額報酬」などと表記されているものを指しています。
・業績賞与: 有価証券報告書において、「業績連動報酬」「業績変動報酬」「賞与」などと表記されているものを指しています。
【役員区分に関して】
・「外国人経営陣」: 有価証券報告書にて開示されている氏名情報のみを判断として区分。国籍その他を確認した上で外国人であるか否かを判断しているものではありません。
・「創業者・オーナー」: 当該会社の創業者・オーナーに加え、社長在任期間10年を超える経営陣を指しています。
・「日本を代表する
 大企業の経営陣」:
上記「外国人経営陣」「創業者・オーナー」に区分されず、各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラス(計約360社)の企業に所属する経営陣を指しています。
・その他: 退職慰労金のみの受給で1億円を超えている場合や、外国人経営陣/創業者・オーナーの影響を受けて高額になっていると想定されるものなどを指しています。

「2010年3月期決算の上場企業の役員報酬水準、ポリシーの開示状況調査」
概要

・調査期間: 2010年6月21日~2010年7月9日
・調査対象: 2010年6月に有価証券報告書にて役員報酬関連の情報開示を行った上場企業約2,600社
・調査内容: (1)2010年3月期決算の上場企業約2,600社における
 ①役員報酬総額が1億円以上の役員の有無
 ②1億円以上の役員の区分
(2)(1)に含まれる各業界売上高上位10社、および売上高1兆円超クラスの大企業の計約360社における
 ①役員報酬総額が1億円以上の役員の区分、および役員1人あたり平均報酬額
 ②役員報酬ポリシーの開示状況
<本調査結果の転載・引用について>
本調査結果を転載・引用の際は、出典の明記をお願いいたします。
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
「2010年3月期決算の上場企業の役員報酬水準、ポリシーの開示状況調査」

以上

プライスウォーターハウスクーパース株式会社について
プライスウォーターハウスクーパース株式会社は、ディールアドバイザリーとコンサルティングサービスを提供する国内最大規模のコンサルティングファームです。M&Aや事業再生・再編の専門家であるディールズ部門と経営戦略の策定から実行まで総合的に取り組むコンサルティング部門が連携し、クライアントにとって最適なソリューションを提供しています。世界151カ国163,000人以上のスタッフを有するPricewaterhouseCoopers(PwC)のネットワークを生かし、国内約1,600名のプロフェッショナルが企業の経営課題の解決を支援しています。