共同事業のパートナーや取引先との間で、時には事実関係を確認しなければならない問題が発生することがあります。ライセンス契約で定めたロイヤリティ支払額の過小申告や合弁事業における利益相反の問題など、自社の利益が不当に失われることは防がなければなりません。仮に相手が信頼のおける企業であっても、契約内容に対する誤った認識により問題が生じる場合もあります。PwCフォレンジックサービスは、取引先との健全で良好な関係を維持・発展させるために、独立した第三者の立場を生かし、企業間の繊細な問題の解決を支援します。
特許、商標、著作権などの知的財産権は、重要な収益源であり、戦略的なマネジメントの必要性が高まっています。 とりわけ、ライセンスを供与しロイヤリティ収入を得ることは知的財産権の戦略的活用手段として多くの会社が利用している手法ですが、ロイヤリティ計算の適正性を巡り多くの問題が生じています。製造技術、ソフトウェア使用、ブランド・商標、OEMなど、他社とライセンス契約を締結してライセンスを供与する場合、相手企業からライセンス料・ロイヤリティを受取りますが、その支払額の計算・報告はライセンス供与先企業が自ら行う場合がほとんどであり、ライセンス料の過小報告・支払が看過されていることがあります。PwCフォレンジックサービスは、PwCがグローバルで蓄積した豊富な経験と、ネットワークを駆使し、ライセンス供与時、更新時におけるライセンス契約条項にかかわるアドバイスやライセンスを供与された企業におけるロイヤリティの算出および納付にかかわるフィールド調査などのサービスを提供します。独立した第三者によるライセンス調査を導入することで両社の信頼関係を維持、向上させる効果も期待できます。また、ライセンス供与を受けている企業が、ライセンサーからロイヤリティの適正性に関し、不当な要求を受けた場合、訴訟回避など紛争の解決に向けたサポート、訴訟に備えた証拠の収集などのサービスを提供します。
さらに、ライセンスの購入を検討している企業の意思決定のための各種情報の収集などサービスや遊休特許の見直しを含む知的財産の戦略的利用のための支援サービスも実施しています。
| 依頼会社 | A社(電気機器製造業〔米国〕) |
|---|---|
| 調査対象会社 | B社(電気機器製造業〔日本〕) |
| 調査対象期間 | 60カ月 |
| 調査期間 | 3週間 |
| 特許料未報告額 | 35,000,000円 |
特許権使用許諾契約書によれば、A社の有する特許を使用する場合、販売数量に製品販売価格の0.15%を乗じた金額を、特許使用料としてA社へ支払う旨が規定されている。ただし、特許使用料の算定にあたっては、コストの一部を販売価格から控除することが可能とされていた。
①B社では日常的に数百種類の製品を製造・販売しており、データ抽出誤りから、当該特許使用製品の一部が特許権使用料の支払対象外として処理されていた。(本来は製品③および製品④が対象であるが、実際には製品④のみを特許権支払の対象としていた。)
②特許権使用料の算定にあたり、契約書に記載された原価の一部を販売価格から控除できる と規定されているが、B社では契約書に記載されていない原価についても控除対象としていた。(原価Cのみが控除可能な原価であるが、原価Bについても控除していた。)

| 依頼会社 | C社(エンターテイメント業〔日本〕) |
|---|---|
| 調査対象会社 | D社(衣料品製造業〔日本〕) |
| 調査対象期間 | 36カ月 |
| 調査期間 | 2週間 |
| ロイヤリティ未報告額 | 10,000,000円 |
ライセンス契約書によれば、C社が権利をするキャラクターを使用して製品を製造販売する場合、販売数量に希望小売価格の1.25%を乗じた金額を、キャラクター使用料としてライセンス供与会社へ支払う旨が規定されていた。
①D社では、キャッシュバックキャンペーンと称して、対象期間中に購入した顧客に対し、商品1個あたり100円のキャッシュバックを行っていた。D社はキャラクター使用料の算定にあたり、売上金額からキャッシュバック金額を控除した金額@700円を使用していた。(本来はキャッシュバック金額@100円を控除しない希望小売価格@800円を計算の基礎とすべきであった。)なお、契約書にはキャッシュバック金額を希望小売金額から控除可能との記載は存在しない。
②D社では、半期に1度の割合で一般消費者向けに在庫処分セールを開催していた。D社では在庫処分はあくまで処分であり、正規の販売とは異なるとの判断から、キャラクター使用料の算定には含めていなかった。(ライセンス契約書には在庫処分品はライセンス料支払の対象外とするとの規定は無く、処分品についても@800円を基礎にライセンス料を算定すべきであった。)

合弁パートナーの現地でのネットワーク、知名度、経験などの経営資源を利用することにより、海外展開のリスクを低減できるなどのメリットや現地の法律上の問題などから、合弁事業形態は、グローバル戦略の一つとして多くの企業で幅広く利用されています。合弁事業を成功させるためには、①合弁パートナーの選択および②その後の継続的なモニタリングが不可欠です。しかしながら、ビジネス慣行が異なり、言語の壁も存在し、情報も不足しがちな海外合弁事業において、①合弁パートナー選択のための十分な調査、②継続的かつ効果的なモニタリングが十分行われなかったことから、合弁パートナーへの不当な利益流出や重要な技術などの流出などが看過され、合弁事業が失敗に終わる例も数多くみられます。PwCフォレンジックサービスは、PwCのグローバルネットワークを最大限活用することにより、合弁パートナー選択のための調査、合弁企業へのフィールド調査などにより、合弁契約の遵守状況の確認、利益相反取引の調査などを含む合弁企業の継続的なモニタリングのサポートなど合弁事業成功に向けた総合的なサービスを提供します。
| 依頼会社 | M社(健康食品販売業〔米国〕) |
|---|---|
| 合弁パートナー | N社(医薬品製造業〔日本〕) |
| 検査対象(合弁)会社 | O社(健康食品販売業〔日本〕) |
| 調査対象期間 | 24カ月 |
| 調査期間 | 4週間 |
| 修正金額 | 32,000,000円 |
米国にて健康食品を製造販売するM社は、日本にて医薬品を製造するN社と合弁で日本で健康食品を販売するO社を設立した。なお、O社所在地は日本国内のN社事業所の中である。O社からN社の子会社であり小売業を営むP社への販売価格が契約違反にあたる可能性があるとの内部通報があった。また、事務処理ミスにより、N社の負担すべき経費の一部ををO社が負担していたことが判明した。
O社の取引記録を確認したところ、売上データの中に他と比して利益率の低い取引が多数発見された。低利益率の取引を抽出し、精査したところ全件がN社の子会社であるP社向けの売上であった。P社に適用されている割引率は合弁契約書に定められた割引率の範囲を超過しており、合弁契約違反であることが判明した。
O社の取引記録を確認したところ、N社の負担すべき経費の一部ををO社が負担していることが判明した。原因を調査したところ、営業部員および研究開発部員の一部がN社とO社の業務を兼任しており、経費処理の際の事務処理ミスによるものであることが判明した。

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