不正・不祥事の発生を予防する取組みは、発生後の当局や訴訟への対応およびこれらに密接に関連する再発防止の取組みと比べて費用対効果が高く、何よりも企業の直接的な財務的損失や社会的信頼の低下を防ぐ企業グループをあげたリスク管理の取組みと捉えることができます。PwC Japanフォレンジックサービスが隔年で実施している「経済犯罪意識調査」*1 によると、不正防止の対策が有効に機能していると回答した日本企業はわずか10%にとどまっており、不正防止に向けた管理体制の構築や確実な運用に課題を持つ企業が多く存在していると想定されます。
PwCフォレンジックサービスは、全社的な不正予防にかかわる管理態勢の構築において、リスク管理の国際標準であるERM(Enterprise Risk Management)フレームワークに基づく支援を実施しています。そのほか、関連するトピックの外部基準(「連邦量刑ガイドライン」*2、「外国公務員贈賄防止指針」*3 など)への適合性なども考慮し、テーラーメイドのサービスをご提供します。
*1 PwCがグローバルで実施した調査については、‘Global economic crime survey 2009’を参照
*2 United States Federal Sentencing Commission ‘Federal Sentencing Guidelines’
*3 経済産業省「外国公務員贈賄防止指針」平成16年
PwCはリスク管理の国際標準であるCOSO-ERM(Enterprise Risk Management)のフレームワーク作りに参画しており、基本概念や適用手法の理解、またPwC独自の方法論(‘PwC Enterprise Risk Management Methodology’)を有しています。PwCは、日本および欧米、アジアにおいて、多様な文化を持つ企業に対するERM適用事例をデータベースに蓄積しています。また、費用対効果の観点から、J-SOX *4およびUS-SOX*5対応にて文書化された資産(全社的な内部統制など)を用いて、不正・不祥事などのビジネスリスクへの対応に拡張した経営管理の仕組みの高度化を行います。
*4 金融商品取引法
*5 米国サーベンス・オクスレー法
COSO-ERMは、戦略、オペレーション、レポーティング、コンプライアンスの4つの目的に対し、企業内の全ての構成員によって取組みがなされる施策を網羅的に企業に導入するために有用な概念および方針レベルの方法論です。財務報告リスクのみならず、あらゆるビジネスリスクに対応するための基盤として、以下のように構成要素が分類として示されています。

賄賂の問題に関して、企業が置かれている環境も深刻です。ドイツに本部を置き、世界的に汚職・腐敗問題に取組むNGOであるトランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)は、Corruption Perception Index(腐敗認知指数)を発表しています。これによると、180カ国中、クリーン度5以下(クリーン度10がもっとも好ましい)が135カ国、クリーン度3以下が82カ国であり、当該国では汚職が常態化していると報告されています。また、推計で政府調達における賄賂による損失は、4,000億ドルといわれています。
前述のとおり、ここ数年のFCPAに基づく賄賂などの腐敗行為に対する取り締りの強化は、企業によるコンプライアンス・プログラムの構築・運用を求めているといえます。経営者による責任は、財務報告にかかわる内部統制と同様に重大なものとして認識されます。また、米国において量刑の判断基準として制定された連邦量刑ガイドラインでは、コンプライアンス・プログラムの構築企業には量刑を軽減する規定があります。今後、企業におけるコンプライアンス・プログラムの策定、周知、モニタリングおよび見直しなどの一連のマネジメントサイクルの構築やそれを支える人員、権限などの経営資源の手当、組織の自浄作用の発揮やリスクが顕在化した場合の迅速な対応体制の整備などが求められています。
PwCフォレンジックサービスでは、PwCがグローバルで蓄積したFCPAに関する事例分析、調査経験を基に、公認会計士、公認不正検査士およびリスク管理の専門家、海外PwCの専門家によるFCPA対応サービスを提供いたします。FCPA対応を含むコンプライアンス・プログラムの策定、リスク管理態勢の構築などの支援を提供します。
社会における環境に対する意識の高まりとともに、企業において、自社のビジネスオペレーションによる環境への影響について適切な対応を実施することは、年々、重要度を増しています。近年、一部製造業における環境汚染対策(公害)関連設備の管理不備による排出基準などの超過や測定データの改ざん問題、再生紙・再生プラスティック・大豆インクなどの環境配慮製品の偽装問題、環境対策データ偽装による補助金不正取得による返還請求や刑事告発に及ぶ問題など不祥事が頻発しました。国も事業者向け行動指針(※)の公表やグリーン購入法の調達品目のチェック体制の検討に乗り出すなど、企業に対して内部・外部監査の強化、環境・リスク管理体制の見直し、情報開示といった具体的な改善行動を求める動きが強まっています。事実、環境データの偽装・不正申告・隠蔽といった環境マネジメントの失敗は、法令違反のみならず、時に、自社の市場価値の低下や損害賠償などのための多額の費用の負担を招くことになり、深刻な財務的損失につながる可能性もあります。
PwCフォレンジックサービスでは、ビジネスオペレーションによる環境への影響を最小化すること、また、そのために企業が負担すべきマネジメントコストを可能な限り削減することを目的とした効率的かつ効果的な環境管理にかかわる助言を実施します。なお、本サービスは、あらた監査法人株式会社あらたサステナビリティ認証機構および株式会社あらたサステナビリティと共同で、公認会計士、環境エンジニア、元行政関係者など、多様な分野の専門家によりご提供します。
また、取引会社の法令遵守・環境マネジメント上での不祥事を未然防止するため、取引先に関するグリーン調達での法令遵守状況の調査および報告、ならびにEMS項目の明確化または遵守状況の調査および報告など、リスクマネジメントに関係する事項の調査および報告を実施します。
世界各国において発生するテロリズムの影響により、マネー・ロンダリングの予防および反社会的勢力への資金提供に対しては重大な問題として認識されています。金融機関にとっては、特に社会的信頼を失うリスクや法規制違反リスクとして認識されるほか、有効な対策を講じずにマネー・ロンダリングを行ってしまった全ての企業にとって、社会的信頼の低下や財務的損失につながる可能性のあるビジネスリスクの1つとして捉えられます。PwCフォレンジックサービスでは、グローバルで蓄積された事例と手法を元に、規制当局による検査への対応やマネー・ロンダリングの効果的かつ効率的な予防プロセス構築を支援します。
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